僕はガラケー全盛期のころから携帯向けにRPGを個人で作っており、これまでに「BOW」シリーズ、「サカガミ」シリーズの計6本のRPGをリリースしてきました。
どの作品も本格的なRPGで非常にボリュームの大きなものとなっています。
本格的なRPGを一人で作り上げるのはとても大変な作業です。
どういった工程があり、どのように作業して完成まで持っていったのか、自分なりの作り方をご紹介します。
RPGのプログラムが具体的にどうなっているか知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
どういったRPGを作りたいか決める
RPGを作りたいと思った時点で、おそらくどんなRPGを作りたいかある程度イメージはできてると思います。
それをまずは形にしてみます。
自分が最も作りたいものをイメージする
例えば、こういった戦闘シーンのRPGを作りたい!だとか、泣けるシナリオのRPGがいい!といった、自分が最も作りたい重視するものを考えイメージします。
僕の場合は、とにかくテンポがよく携帯でもストレスなく操作できる戦闘シーンのRPGを作りたいと考えました。
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プロトタイプ版を作る
上記で考えたRPGをまずは見える状態にしてみます。
RPGを作るためのツール
何かしらのこだわりがないのであればUnityをオススメします。webにいろいろな情報が転がっているため困ったときにヒントが集めやすいです。
PC向けであればRPGツクールでもいいかもですね。ただ、僕はPC版のRPGツクールを触ったことがないので、情報をお伝えすることができません…すみません。
最低限の素材のみ準備してまずプログラムをしてみる
最初に完璧な画像やBGMなどを準備しても、あとから仕様を変えたくなる場合が出てきます。
そうなると作り直したりで非常に手間になってしまうので、まずは適当でいいので最低限必要な画像のみ準備していきなりプログラムしてみます。
例えば僕ですと、戦闘シーンの背景と敵キャラの画像1枚のみを適当に殴り書きして準備してプログラムを書き始めました。
もしシナリオシーンを作りたいのであれば、キャラの立ち絵と背景のみ準備して、会話シーンをいきなり作り始めてもいいでしょう。
はじめはそんなんでいいんです。
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ストーリーを考える
RPGといえばストーリーがあるかと思いますので、これを考えていきます。
プロットを作る
いきなり細かいシーンまで書こうと思うと難しいので、まずはプロットを作成し全体構成を考えます。
中二病全開ですと、序盤や中盤の山場はしっかり練っているけどストーリーの締め方を全然考えてなかったりで、まとまりのないシナリオになりがちです。
ですのでここはある程度じっくり考えて、まとまりのあるお話づくりを心がけます。
キャラや用語の設定資料を作る
用語集だったり、キャラクター相関図を作ります。
ちゃんと作っておかないと、突然キャラクターの一人称や呼び名が変わってたりとかが起こりえます。地味にコレ重要です。
脚本を書く
まずは導入部のみでいいので実際にシナリオを書いてみます。もしシナリオ重視のRPGを作りたくてシナリオ書くのが大好きで最後まで書きたい!と思っていても、まずは導入部のみに留めておくことをオススメします。
理由は、書いたシナリオを実際にゲーム上で展開させるとイメージと全然違うってことが割とよくあるからです。
まずは少しだけ書いてみて、ゲーム上でどう表現出来るかを見てから後の展開を考えるとスムーズに作れます。
画像を準備する
RPGに限らずゲームに画像は不可欠です。
まずは最低限動かせるだけの画像を準備しましょう。
最低限最初に準備するもの
- 数字や文字、ウィンドウ等のUI画像
- 戦闘シーンの背景
- 敵キャラクター
マップ探索型なら
- マップ画像
- キャラクター画像
アドベンチャー型なら
- 背景
- キャラクター立ち絵
どういったRPGにするかで多少変わってきますが、最低限これらは必要かと思います。
ただ、いきなり完璧な画像を準備するのは大変なので、まずは仮の画像でも大丈夫です。
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シナリオやマップ作成用のツールを作る
これがなかなか大変だったりですが、Unityで作るのであればUnity上である程度はカバーできるかなと思います。
シナリオ作成用のスクリプト作成
専用のツールを作ってもいいですし、エクセル + VBAで作ってもいいかもしれません。
ツールでシナリオのデータ(会話やイベント)で作成したものを出力し、その出力されたデータをゲーム上で読み込めるようにします。
マップエディタ
これはUnityで代用できそうです。フリーのマップエディタもあるかと思いますので、自分で作るのは難しいのであれば、そういったものを利用してもいいかもです。
僕はマップエディタ兼シナリオ作成用のツールをJavaで作りました。
アイテムや敵キャラクターデータ管理ツール
エクセル + VBAでいいと思います。
僕はデータそのものをエクセルで管理し、ゲームで読み込むためのデータをVBAで出力できるようにしました。
BGMや効果音を準備する
これは余裕があればこの段階で作りましょう。
とはいえ割と面倒なので、後回しでもいいです。
実際僕も、BGMはゲームがほぼ完成するくらいのタイミングで実装しています。
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実際に作ってみる
とても面倒な素材準備がある程度整ったら実際にゲーム作りを開始します。
まずは導入部のみ作ってみる
ストーリーが始まり、最初のダンジョン攻略くらいの1つの小さなシナリオを作ってみます。
イベント開始→マップ探索→戦闘→ボス戦→イベントクリア
この一連の流れを実際に作ることでRPG作りの感覚を覚えてきましょう。
なお、この段階ではタイトル画面は不要です。
まずはRPGとして遊べるものを作ることが大事です。
出来た部分を念入りにテストプレイ
実際にプレイしてみるとおかしなところや気になるところが出てきます。
そこを納得いくまで修正していきます。
この部分はちょっと気になるけどまぁいいかな…と思っていると、あとからユーザーさんからツッコミ入れられたりします。実際入れられました、はい。
少しずつ拡張して完成させていく
ここまでの工程ができたらあとは日々の積み重ねだけです。
新しいシナリオを作り、それに必要な画像などを準備しRPGとして組み立てていきます。
RPGを一人で作るうえで大切なこと
それは根気です。
RPGを作るのは非常に膨大な時間と労力を必要とします。
それを一人でこなすのはかなりハードです。
それをどのように維持するかがキモとなります。
僕がRPG作りでモチベーションを維持した方法
自分が作ったRPGを自分でプレイして楽しむ、それをモチベーションとしました。
元々が自分がプレイしたいRPGを作っている、というのもありますが
- 1つの小さなシナリオを作る
- テストプレイする
- 楽しい!
- 早く次のシナリオをプレイしたいから続きを作る
こんな流れでひたすらに作り続けました。
一人で作るのは大変だけど面白い
正直、一人で作るのは本当に大変です。ですが、一人だからこそ自分のペースで、自分の思った通りのものが作れるので、本当の意味で自分だけの最高のゲームが作れます。
自分なりにモチベーションを維持し完成を目指す
ただ自分だけだとどうしても甘えが出てしまい、今日は作るのやめておこうかな…となってしまうことがあります。
モチベーションを維持するのはとても難しいですが、自分なりの方法で乗り越えていきましょう。
その先には最高のゲームが待っていますから。